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岐阜のアーティスト 画家 伏屋美希さんインタビュー@cafe ajara

岐阜の澄んだ空気が育んだ色彩の画家 伏屋美希さんのロングインタビュー。インスピレーションの源や影響を受けたアーティスト、また岐阜で活動する理由など、作品に対する思いや今後の目標などをお聞きしました。

インスピレーションの源

編:作品を描くときに、何にインスパイアされるというか、何をインスピレーションとして描いていますか?
伏:何ですかねー
編:何か外部からのインプットがあって、アウトプットがあると思うんですけど。
伏:そうですね・・・絶対写真とか何か見ないと描けないので。良いなと思った写真の表情とかを見て。
編:やっぱり、表情って感情じゃないですか。感情があるように見える、意思があるように見える、そういったものに刺激を受けてそれを自分のフィルターを通して表現しているってことですよね?
伏:そういうことですねー。
編:それが結果として色彩とかに表れているのかな。そもそもこの色彩を選んでいるっていうことは、悲観していないというか。つらいこともあるけど楽しいこともある。この絵なんかだと、周りは(暗めの色彩なので)つらいことが多いですよね。
伏:ああ、そうですね。
編:それに対して、強く生きていこうとしているまなざしとか強さみたいなもの、前向きな意思の表現としての色だったりとか。
伏:あー。そういわれるとそうやって見えてきますね!(笑)
でも一筋縄ではないというか。これ(きつねの絵)だと、ちょっとうるうるっとしている賢い女、みたいな。このきつねが。うるうるっとしていて可愛いけど、騙す。そんなタイトルにしました
wisely_woman
編:そういった一筋縄ではいかない感情を表現したいんですね?
伏:そうですね。
編:単に明るいだけとか暗いだけとかではなくて
伏:うんうん。結構いろいろ分析するのが好きかもしれないですね。
自分がいらっとしたりするじゃないですか。で、後から考えるんです。いらっとするのには理由があって。その時の自分の感情なんですけど。同じこと言われてても、別の時だといらっとしないかもしれないし。あの言葉を言われたから、それがひっかかっていらっとするのかな、とか。

作品の展示

編:作品ってこのお店以外の場所にも結構飾ってあるんですか?
伏:岐阜駅近くのカフェには絵も飾ってもらっていて、壁にも絵が描いてあります。あと、忠節橋を渡った辺りに友達の設計事務所みたいなのがあって。元々服屋さんだったみたいですけど。そこに大きい絵が置いて・・・
編:ある!ありました。こないだ「似てるね」って話をしてました。交差点の角にある?
伏:そうそう、そうです。
編:やっぱりそうなんですね。でもちょっと色合いが違うから、もしかしたら違うかなとも思ったんですけど。
伏:焼けてるかもしれないですね。だいぶ前なので。

編:でも、このタッチでやっている人って他にいないですよね?
伏:そうなんですよね。見たことないです。
編:やっぱりそうなんですね。名古屋のどこかの美術館で飾っていたときとかないですか?
伏:それはないですね・・・
編:どこかで見たような気がするんですよね。
伏:名古屋の美容室の人が気に入ってくれて。昭和区かな。そこに展示してもらっていたこともあります。
後は、バレエのパンフレッを会社で作るんですけど

編:バレーっていうのは・・・
伏:ああ、バレリーナのバレエです。その発表会のパンフレットを作るときに、社長がバレリーナの絵あるか?って。それでそのパンフレットに私の絵を入れたら、(バレエ教室の方が)気に入ってくれて。それから毎年私の絵でやってくれることになって。更に、そこの看板に使うからっていうことになって。緑区だったかな。
あとは、名古屋のナディアパークの前の美容室。

編:ああ、ナディアパークの近くで見た気がします。
伏:それは私ですよ。その美容室の人と仲が良くて。そのお店のごみ置き場が真っ白で、そこに落書きとかされちゃうし、ネガティブな感じだからカラフルにしたいって。それじゃあ描きましょうかということで、描いて。あとロールカーテンが真っ白なんで、ロールカーテンにも描こうかってなって。
編:アクリルで描くんですか?
伏:アクリルですね。
編:外のやつも?
伏:外のやつはペンキです。
編:忠節橋の交差点に飾ってあるのは、何で描きました?
伏:あれはアクリル絵の具だと思います。
編:じゃあ、それが焼けてるんですね。この発色が出ていなかったので。ちょっと暗い感じで。
伏:そのとき、ちょっと暗い気持だったかもしれないです(笑)
編:やっぱり(その時の自分の感情が)影響します?
伏:絶対出ているような気がしますライブペイントでも、凄く楽しかったときに描いたものは、これはうまくいったなーと、なんとなく違いはありますね。
編:気分が選ぶ色に表れるっていうのはあるみたいですね。
伏:あー。
編:色々な作品を見ると、背景の色もそれぞれ全然違うし、同じ顔を描くでも使っている色が全然違うし。色々な気分が反映されているのかなーなんて。
伏:そうですねー。
編:悲しい時に笑っている顔は描けないんじゃないですか?
伏:そうですね。でも描いていると楽しくなってくるんですよね。描いていると何か脳内麻薬みたいなものが出ている気がします。
編:嫌な気持ちも飛んでく?
伏:そうですね。でも、元々ペースが一定かもしれないです。感情が。
編:そんな感じは受けますね。
伏:そうですか(笑)

過去の自分、未来の自分

編:伏屋さんは昔の自分にもし会えるとしたら、なんて声かけますか?
伏:大学の時は楽しくなって遊んじゃってたから、時間もあったしもうちょっと外国とか行ったら良かったんじゃないの、と思いますね。まあその時はその時で楽しかったんですけどね。
編:後悔はないけど?
伏:そうですね。でももう少し早くから意識を広く持った方が良かったな、と思います。世界が狭いじゃないですか。子供って。学校の教室の中だけとか。大学に行って広くなったと思っていたんですけど、それでも自分の友達周りだけだったんで。もうちょっと早くから視野を広げておけば良かったかな、と。
編:日本を出て、とか?
伏:自分の友達以外、世代が違う人たちとかともうちょっと早くから触れ合っても良かったのかなと思います。そういった人たちの方が今は面白いので。全然世代が違う年上の人とかの話を聞いたりすると面白いんです。

編:では、もし何年後かの未来の自分に会えるとしたら、伏屋さんは何を伝えたいですか?
伏:未来には・・・ないですね
編:今しかない?
伏:今よりも未来の方が多分わかってるはず。今の方がばかで、未来の自分は賢くなっているはず。
編:(未来の自分に)賢くなってるね、って褒める感じですか(笑)
伏:どうですかねー(笑)今より色々わかっていたいですね。
編:成長してたい?
伏:そう、成長してたい、ですね。
あと、ニューヨークの展示会の時に、飛行機が飛ばなくて。ホテルを無料で使えます、という感じだったんですけど。でもよくかわらず日本人の若い人たちでまとまっていたんですね。その中に高齢の人達を率いてるおじさんがいて。みんな必死だから余裕がないんですよ。でもその率いている人は凄く余裕があるなと思って。この一大事に。夜も遅かったし、自分の分だけだったらささっと手続きしてホテルに行ける人だと思うんですけど、そうじゃなくみんなを案内していて
私もその人についていって、「何をやってる人なんですか?」と聞いてみたんですよ。そうしたら、ボランティアの人で。シリアで地震があって、そこのボランティアに行ってきた帰りで、乗り換えで今ニューヨークで、っていうことで。私は自分の絵を売りたいということで、自分の絵の事だけ考えて動いているけど、この人の方がかっこいいな、と思って。
自分のためっていうより・・・何かフェアトレードデイとか、アースデイとか。まあ結局自分のためなんですけど、そういう風な(動きをしたい)。岐阜のためっていうのも、自分のためでもありますけど、そういう動きの方が楽しめるかなと思うんですよね。結局自分のためかもしれませんけど。

編:結局人間は自分のためにしか生きられない、というのはありますからね。
伏:でも積極的に自分の絵でお金を、というより、もうちょっと・・・まあ絵で儲けてそのお金で何かそういう(ボランティア的な)動きをするのでも良いし。

今後の目標

編:今後の目標は?
伏:スペインが良いな。直近じゃないかもしれないですけど。
ニューヨークにグッゲンハイム美術館があって、それがスペインにもあるんですけど。
(※編集部注:スペインのビルバオにあるビルバオ・グッゲンハイム美術館)
編:ガウディとか?
伏:そっちの方かな?
編:グッゲンハイムは色々な所にありますよね?ベネツィアのグッゲンハイム美術館に行ったことがありますが、近現代美術の作家を広く扱った場所ですよね。
伏:そうですよね。目標としては、そこに展示することかな。
あとは、ちょっとリセットかなと思っていて。色々な所で展示しなければ!というのから解き放たれた方が良いものができるかなと。この夏は結構わっと動いたから。今頼まれているものを作ったら、一旦リセットして。それから新規開拓ですかね。

編:作品としても、先ほど言われていたように平面だけでなく立体にも挑戦していきたい、という感じですか?
伏:そう思うような気もしますけど・・・わからないです。面倒くさがりやなので。
でもちょっと作りたい。エルネスト・ネトという作家さんが好きで。結構立体の作品を作っていて、部屋中作る感じなんですけど。やわらかい素材とかクッションとか。そういったものもできたら良いなと。一人で絵を描いているだけだと飽きそうな気がするし。一人で家にずっといたら気持ちも落ちると思うんですよね。
だから、会社に毎朝きちんと行って、周りに人もいて、ということが精神的な安定に繋がっているのかな。それで、会社も行ってアートもやって、というバランスが良いのかなと。

編:デザイン会社なんて遅いんじゃないですか?夜。
伏:でも夜の7時とか8時には帰れるので。そこまでではないんですけど。でも、もうちょっと自由な感じで、週3くらいで会社行って、みたいな。今、どこでも働けるじゃないですか。ネットがあるし。だからそういう感じにできたら良いなと思っています。
編:制作は主に土日?
伏:そうですね。後は、ですね。朝型なんですよ。朝描いてから会社行ったりとかもしますね。
編:良いですね。会社に行く前に描くって。
うちも、アーティストを応援したいというのもあるんですけど、例えば週4働いて週3休み、週3働いて週4休み、というのでも良いじゃない。その間自分の好きなことができるし。特に岐阜だと実家があればそう稼がないでも良いかもしれないし。
その分、創作活動に充てたりとか、音楽やったりとか、そういった生活でもありなんじゃないかと思っていて。だけどちゃんとうちの社員です、みたいな形にしたいなと思っていて。
伏:それでむしろ、(多くの時間)働いていないからお金がないんじゃなくて、むしろプラスのような気がしますね。
編:両方にとってプラスになりますよね。
伏:そう言い張っていきたいですよね、社長にも(笑)
伏屋さんの作品を見たいかたは、笠松町にあるcafe ajaraさんまで足を運んでみて下さい!!名鉄笠松駅から徒歩10分です。
伏屋美希さんの公式ホームページは下記です。
作品の紹介や、上記インタビュー本文中にも出てくるiPhoneケースなどの情報も載っています。是非チェックしてみてください。
FUSEARTWORKS

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