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Cute Movies

ハピネス

監督:トッド・ソロンズ

「ハピネス」。このタイトルから、みなさんはどんな映画を想像するのでしょう。
不器用で、かっこ悪くて、決してスマートに生きているとはいえないが、幸せを求めて奔走している。そんな人たちが、日々迷い、焦り、戸惑いながらも、つまらないと思っていた自分の人生の中に、それぞれにとっての幸せを見つけていく。
この映画についてほとんど予備知識を持っていなかった私は、チラッと見かけた何かの雑誌の青春群像劇というようなコメントから、こんなていのいいストーリーを想像していた。案外、本当の幸せというのは自分の身近なところに転がっているものなのだ、というような具合である。
しかし、そんな甘いものでありませんでした。やられた。ノックアウト。

が上がって出てくるのは、不幸不幸のオンパレード。「不器用で、かっこ悪くて、スマートに生きることが出来ない人たち」というのは、あながち外れてはいな
かったが、そのあとが肝心で、いくら迷い、焦り、戸惑っても、彼らの前にあるのはUNHAPPINESSばかりなのである。前売りチケットについていたコ
ピー「20世紀最強で最高な不幸の博覧会」の意味をしっかりと噛み締めた数時間だった。
恋も仕事もままならない悩める女性。やらしいイタ電が趣味のデブサラリーマン。本当は少年への性的欲求もりもりの一見幸せな家庭の理想的なパパetc.・・・・。
彼らの抱える不幸は、観ているこっちが頭を抱えてしまいたくなるようなほど情けなく、おぞましく、救いようのないものだ。けれど、どうしてかそのすべてがどこか可笑しく切ない。
思わず「幸せってなんだろうねぇ」としみじみ考えてしまった。そしていくら考えてもその結論は出ないのだが、観終えたあとに「ま、しょうがない。生きていくか。」となぜか明るく思えた。
まさに、ソロンズ・マジック。笑いどころたくさん。かなり楽しい映画だが、ただのブラックユーモア・ムービーと思ったら大まちがいである。ソロンズ監督、もうファンになりました

text by...  RS
2000/09/01