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Cute Movies

耳に残るは君の歌声

監督:サリー・ポーター

1930~1940年代、世界大戦の激動の時代に、ロシア・ロンドン・パリ・ニューヨークへと、
幼いころに分かれた父をさがして旅を続ける。

ロシアの寒村に暮らす貧しいユダヤ人たち。
少女フィゲレは、父と祖母と共に暮らしていた。
やさしい父の子守唄を聞きながら。

ユダヤ人への迫害が厳しくなり、
新天地を求めて父は家族を残し一足先にアメリカへ旅立つ。
直後、村が暴徒に襲われたため、フィゲレは父をおってアメリカへ向かうはずだったが、
乗せられた船はイギリス行きだった。

フィゲレはスーザンという新しい名前・・・・愛称スージーを与えられ、
キリスト教徒の家庭へ預けられる。
祖母の形見の金貨と父の肖像写真を取り上げられたスージーは心を閉ざしてしまう。
歌の上手な少女は、数年後成長し、父を探しに旅に出る。

パリを訪れたスージーは、ロシア人女性ダンサー、
白馬を扱うジプシーの青年、イタリア人のオペラ歌手らと出会い、
ユダヤ人迫害 世界大戦という激動の時代を行きぬいていく。

そして、父がいるはずのアメリカ行きの船に乗り、ニューヨークへと出発する。


歴史に翻弄された一人の女性の、父親を探す旅というストーリーですが、
同時に 名前を奪われ 国を追われた人間の、自分探しの旅でもあるという、
とても重いテーマの映画です。
でも、重いと感じさせないのは、
美しい数々の歌とロマンティシズムいっぱいのストーリー展開のなせる技。

目を見張るのは、クリスティーナ・リッチの美貌です。
あの、「アダムスファミリー」のかわいげのないウェンズデー役のリッチですが、
ここ2年くらい個性的で素敵な役が多いですよね。
崩れかかったぽちゃぽちゃの体型も、日本人にはなじみのあるスタイルだし。

スージーの友達で、華やかな暮らしを夢見るロシア人ダンサー役の
ケイト・ブランシェットは、よく観ないと彼女だと気づかないくらいの変身ぶり。

この映画の邦題でもある「耳に残るは君の歌声」は、
オペラ「カルメン」で有名なビゼーの作曲で、これも「真珠取り」という
オペラの中の1曲です。
他にもオペラ音楽の中からたくさんの美しい音楽が使われた他、
世界的に注目を集めているルーマニアのジプシーバンドが出演しています。

美術も演出も音楽も何もかもが重厚で、とても酔える映画です。
世間はクリスマスでにぎやかですが、この映画でじっくりと落ち着いてみるのもいい
と思います。


☆★☆
ところで、かなり前にご紹介したシンクロ映画「ウォーターボーイズ」ですが、
9月15日の公開以来、実に13週のロングラン大ヒット上映でした。
12月14日、都内東宝系上映の最終日に日比谷シャンテ・シネでは、
矢口史靖監督とボーイズ3人の舞台挨拶があったので、
試写会以来WBにハマりまくっている私も、当然行ってきました。

12月15日からは新宿東映系で上映されます。
矢口監督や東宝の方たちは、ここまでヒットするとは思っていなかったそうです。
「このまま年を越したいと思いますんで、みなさんよろしく!」と行っていましたが、
それはWBファンみんなも同感で、会場内は拍手!拍手!!でありました。

私もココロが疲れたときに、会社帰りに観に行って、
元気になって帰ってくるということが何度かあって、ココロの栄養剤にしています。
何がどう私のツボ(笑)にハマったのか、よくわかりませんが。
でも、まだまだ新宿で続映されると聞いて、ホッとしてます。

このまいぷれを見ている方の中に、WBファンの方っているのかしら?
興味の無かった人も1度観て見てください。
ゼヒ、ぜひ!です。

text by...  ris

2001/10/30