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Cute Movies

雨の翼

監督:熊澤尚人

(c)2008映画「雨の翼」製作委員会
公開中

監督:熊澤尚人  主演:藤井美菜/石田卓也
(c)2008映画「雨の翼」製作委員会

茶柱のマイ・ヒロインでもある藤井美菜様!
日本映画をしょって立つ存在なのは言うまでもない!
スウィートレインに酔いしれる心地よさ

全くのポエムなんだなあ~。一人の少女がいる。学校の屋上。誰もいない屋上でただひたすら雨をまつ。雨が降ると嬉しそうにダンスを始める。ステップを踏む少女。その表情は晴天の時よりも晴れがましい。彼女は雨が大好き。だからいつも彼女は雨を待っている。

 少年がいる。雨の日。偶然屋上で少女を見つける。少年は黙って彼女を見つめる。
彼は彼女に恋をする。

だがしかし――。彼女は「雨」に恋をしていた……。

 ハリウッド映画は既に衰退。ヨーロッパ映画もしかり。ひと頃人気だった韓国やアジア映画もそのかげりが見えてきている昨今。元気がいいのは兎に角邦画だ。洋画(アメリカ映画)はかろうじて“超”のつく作品以外はケロケロの状態。年に数本の“蜘蛛男”シリーズや“微妙な海賊船長”シリーズ以外に豊作はない。

メイドインUSAのストーリーやプロットの貧困はサブプライム問題と同様に悲惨だ。手垢のついた物語だけをリライトし、ブランドキャストや、スタッフに頼る以外に方策はない。

しかし日本映画は孤軍奮闘している。TV局とのタイアップ映画が跋扈しマーケティングばかりが先行し、“質”が問題にされることもしばしばだが、数十年、数年前に比較しても日本映画の“質”は数段に向上している。“確実な目”を持たぬ映画評論家や、専門家は、今の日本映画を“ブーム”としてとらえるが、日本映画の底力はもはや“ブーム”などではない。“本物”なのだ。

ここ数年、一本の邦画が、数十億を稼ぎ出すことが可能な状況になった。一昔前の角川映画ブームとはちと違う形相だ。
映画に対する“寛容”が社会的に(文化的にも経済的)に認めら“雨の翼”のような作品が産まれる土壌ができあがってきたことは本当に素晴らしい!!

てなワケで、今回紹介する、この「雨の翼」という作品の本題(ちょっと前振り長かったね)です!!実はユナイテッド・シネマ豊洲で行われた「シネマプロットコンペティション」という試みの中で開花した作品。「シネマプロットコンペティション」というのは、ユナイテッド・シネマが「みんなの映画プロジェクト」の一環で、一般から映画のプロットを公募したプロジェクトイベント。その栄えある第一回作品が「雨の翼」というワケ。

とどのつまりは、日本映画の好調が、こういったトライアルをバックアップしてるって事が重要!!!
つらい思い出を抱えている少女が、雨の中で心の傷を乗り越えていく過程を描いた青春ドラマの佳作だ。監督は「ニライカナイからの手紙」「虹の女神 Rainbow Song」の熊澤尚人がメガホンをとり、瑞々しいカメラワークで映像詩を奏でる。なお同監督はこの後に茶柱期待の「DIVE!!」が控えている俊英だ。

 そして主演の二人がこれまた凄い!ヒロインには「シムソンズ」の藤井美菜!憂いのある表情が冴えるね~~。でもってそのヒロインに憧れる少年に「夜のピクニック」「グミ・チョコレート・パイン」「リアル鬼ごっこ」と話題作に立て続けに主演中の個性派!石田卓也!なんだから言うことなし!
ちなみに本作の原作プロットのタイトルは「雨恋」。文字通り雨に恋する女の子の物語。

さあ、アナタもスウィートレインに酔いしれながら日本映画の“将来”を覗いて見てはいかが??
text by...  茶柱達蔵

2008/02/15