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Cute Movies

闘茶 tea fight

監督:ワン・イェミン

7月12日より、シネマライズにて先行ロードショー!
(c)2008 TEA FIGHT FILM ASSOCIATION

出演:香川照之 戸田恵梨香 / ヴィック・チョウ チャン・チュンニン 細田よしひこ ほんこん 藤田陽子 / エリック・ツァン
(c)2008 TEA FIGHT FILM ASSOCIATION
(c)2008 TEA FIGHT FILM ASSOCIATION
“お茶”が映画になったなら……日本と台湾 美しい自然と街をたどる旅

【ストーリー】

老舗茶屋の一人娘・美希子(戸田恵梨香)は、妻の死以来、自堕落な生活を送るようになってしまった父親の圭(香川照之)を元気づけるため、伝説の茶葉を求めて台湾へ渡る。若き天才茶人ヤン(ヴィック・チョウ)との出会いで、運命の歯車が動き出す……華麗な茶芸はもちろん、京都の季節感あふれる風景や、台湾のエキゾチックなのに懐かしい街並みも見どころ。ふだん何気なく飲んでいるお茶が愉しくなる“一杯”。

京都をあじわう、日本を愛でる

日本と台湾でロケを行った『闘茶』で、日本のシーンに登場するは京都の街。通常、京都市街地の撮影は規制がきびしく、なかなか実現しません。それだけに、スクリーンに映し出される風景は、京都ならではの特別な趣をたたえています。

戸田恵梨香さん演じる美希子の友人、村野(細田よしひこさん)の実家は、老舗の京菓子店「塩芳軒」。西陣織で有名な西陣に実在するお店です。金閣や京都御所、二条城に囲まれた西陣の歴史が刻まれた佇まいに触れ、一気に物語の世界へ引き込まれます。

美希子が参加する茶会が催されたのは、京都市のお隣、長岡京市にある光明寺。大河ドラマ「新撰組!」のタイトルバックにもその映像が使われたり、映画やドラマのロケ地として有名ですが、夏から秋へ、境内の木々が色を変える一瞬のゆらめきをとらえた映像は、他では見ることができません。
美希子・圭親子が住む街は、滋賀県は琵琶湖の東、東近江市・五個荘で撮影されました。近江商人発祥の地で江戸時代から人びとが行き交った五個荘には、琵琶湖で使っていた舟の板を再利用した「舟板塀」や、漆喰の白壁が残っています。昔ながらの蔵も、物語の中で重要な役を演じます。穏やかな時間の流れを感じさせる街並みが、美希子のすこやかさを育んだのでしょう。明治時代以降、海外へ目を向ける先進的な商人が多かったというこの五個荘は、『闘茶』の物語の行方を導いているようでもあり。

台湾をお茶で旅する

そして台湾。新幹線が開通したり、台北101ビルが世界有数の高さを誇ったりと、アジアを牽引する島として発展を続けていますが、エキゾチックな街並みもいまだ健在していることが『闘茶』に登場する景色を眺めていると伝わってきます。

ロケが行われたのは、いずれも台湾の歴史と文化のエッセンスがつまった場所。たとえば、かつて貿易港として栄えた淡水。茶の本質を静かながら力強く教えてくれる師匠が登場するシーンの舞台となりました。台北から地下鉄で35分、淡水河の河口近くに位置し、山と河が美しく、休日には多くの台北っ子が足を運んでいます。

葉を求めて訪れる茶問屋は、良質な台湾茶を世界各地へ広めてきた台湾屈指の茶問屋・林華泰茶行がロケ地。重厚な建物と茶への情熱を持つ人たちは、スクリーンの外でも変わらず今日も最高の茶を世に送り出しています。
その他、緑豊かな228和平記念公園や、古い工場を改造したエリアにアーティストが集うヴィレッジとなっている華山創意文化園区なども登場し、観光名所とはひと味ちがう台北が味わえます。

夏休み、日本と台湾の文化に触れ、劇場を出たらお茶を一杯。涼やかな風が吹き抜ける一日になることでしょう。

~『闘茶』舞台挨拶(2008年6月5日)より~

※舞台挨拶の様子はバックナンバーで!※
text by...  こうだ真紀

2008/07/11