1965年～70年に全米で大人気だったTVシリーズが現代版にリニューアルして映画化。分析官としては超一流だが、エージェントとしては新米のマックスが、ベテランの美人エージェント99とチームを組んで、危険な初仕事に挑むことになった。本部が襲撃されて、世界的な陰謀を阻止できるのは、彼らだけ……。

TV シリーズを知っていると、その違いをどう現代版へとアレンジをしたかも楽しめて面白いが、原作を全く知らなくてもスパイアクションコメディとして大いに楽しめるエンターテイメントになっている。大変な事体をジョークにしてしまう不遜さの微妙さ加減がたまらない。近頃は、やりすぎ感のある下品さにウンザリするコメディも多いが、オーバーアクションではないのに、思わず笑わずにはいられない。実にスマート!ここに演じるスティーブ・カレルの凄さを感じる。安心して、快活に笑える気の利いたユーモアセンスに乾杯したい。

この映画の魅力は、単なるコメディに終わらないこと。007シリーズ、ミッションインポッシブルにも劣らない本格的なスパイ映画としてのスピード感、アクション、お決まりのハイテクスパイ機器もしっかり魅いせてくれる。ストーリーは、単純でありがちだが、シリアスな部分とコメディ部分が上手くマッチングしているので、最後まで楽しく観られる。脇役たちも個性的な魅力で観客にアピールしていて、印象に残る。特にスパイ機器の開発研究オタクを演じるマシ・オカが、米人気TVドラマ「ヒーローズ」に続いて、ここでもいい味を出しているので、チェックしておきたい。
text by...  nagai

2008/09/17